
いびき外来
いびき外来
ご家族やご友人から「いびきをかいているよ」や「息が止まっているよ」などとご指摘されたことはありませんか?
その他にも、睡眠時に何度も目が覚めたり、朝起きた時に疲れを感じたり、日中の眠気を感じるなど、思い当る場合には、
一度検査を行うことをおすすめいたします。
そもそもいびきって、だめなの?あるとなにがいけないの?うるさいだけでしょ?と聞かれることがよくあります。
いびきとは、睡眠時になんらかの理由で気道が狭くなるまたは閉塞することで、音がでることを指します。つまり、正常に酸素を供給できない状況に陥っているのです。
酸素が正常に取り込めてない時に体がどのように反応するかというと、少ない酸素を体中に巡らせるために、心拍や血圧をあげます。それが要因となってさまざまな病気を悪化させると考えられています。
睡眠時無呼吸症候群のある人は、8年後生存率は70%といったショッキングな研究結果もあります。すなわち睡眠時無呼吸症候群を放置すると8年で30%の方は亡くなるということです。睡眠中に呼吸が止まって亡くなるのではなく、さまざまな疾患の原因になると考えられています。
実体験してみるのであれば、とても細いストローで呼吸し、日常生活を送ってみていただくなどが良いかもしれません。
また、「軽度」といわれる状況であっても、1時間の間に10回呼吸が止まったりしていることになります。ためしに日常生活中に1時間に10回1分間の息止めを行ってみてください。かなり苦しいと思います。これが軽度です。
同様に、1時間に20回が中等度、1時間に30回が重度となります。
結果として、睡眠できないことで疲れが取れない、日中のパフォーマンスが低下し、常に眠気があったり、交通事故を起こしやすかったりといったデータもでています。
「たかがいびき」と思わずに、音がでているだけで体に不調はないのか、それとも不調があるのか、お調べいただくことをおすすめします。
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、寝ている間に一時的に呼吸が止まり無呼吸になる病気です。睡眠中に平均して1時間に5回以上、それぞれ10秒以上の無呼吸が認められる場合に診断されます。
代表的な症状は“いびき”で、眠りが浅くなるため、日中に強い眠気、倦怠感、イライラを生じることがあります。放置すると、血管・心臓・脳に大きな負担がかかり、高血圧症や狭心症、心筋梗塞、脳卒中などを合併することもあります。交通事故などの原因にもなります。
できるだけ早く診断し、治療をはじめることが大切です。
睡眠時無呼吸症候群ではいびき、無呼吸、日中の眠気、頭痛、不眠、慢性的な疲れ、夜間に何度も目が覚める、などの症状が認められ、循環器疾患を主とした体の様々な臓器に異常を引き起こします。
呼吸の評価、鼻や喉の評価、合併症の評価(循環器疾患の評価)など、様々な視点から総合的な評価が必要です。
当院の睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療は、ご自宅で検査、治療が行えます。治療は月一回の外来通院が原則ですが、通院が難しい場合はオンライン診療も併用できますので、状況に応じてご相談ください。
原因には鼻から喉頭(のどぼとけ)にかけての狭窄があります。狭くなった気道のすき間を空気が通ることで“いびき”が生じます。いびきの要因は、肥満による首や喉(のど)まわりの脂肪沈着、顎(あご)が十分発育していない小顎症(しょうがくしょう)、扁桃肥大、舌根(ぜっこん)・口蓋垂(こうがいすい)・軟口蓋(なんこうがい)による狭窄など、解剖学的なものが代表的です。
また、加齢や睡眠時における呼吸の調節能力の低下など、機能的な要因も関連します。睡眠時無呼吸症候群は、男性は30~60代によくみられ、女性は更年期以降に多く、閉経によるホルモンバランスの変化も一因とされています。
最近、下記のような事を感じたことはありませんか?
これらは睡眠時無呼吸症候群(SAS)で生じる症状です。
まずご自宅でできる簡易検査を行い、次に精密検査(PSG検査)を行います。必要に応じて鼻腔通気度検査も行います。
胸、指にセンサーを装着して、いびきや呼吸の状態などからSASを調べる簡易検査です。ご自宅で検査ができます。検査内容は以下の通りです。
頭、胸、腹、指にセンサーを装着して、簡易検査の項目に加え、脳波や睡眠の深さ、呼吸状態など、睡眠時の詳細を調べる精密検査です。ご自宅で検査ができます。検査内容は以下の通りです。
睡眠中に鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道を開存させて無呼吸を防ぎます。効果の高い治療法で、睡眠中の無呼吸・いびきが減少し、眠気の改善や血圧を下げる効果も期待できます。
検査結果により保険診療での治療ができます。
1〜2か月は慣れが必要ですが、慣れてくると快適に装着できるようになります。
保険診療での治療ですので、基本的には月に1回の受診が必要です(仕事でお忙しい方は二月に一回受診も可能ですのでご相談ください)。
軽症例に適した治療法で、睡眠時にマウスピース(スリープスプリント)を装着し、下顎を前方に出すように固定することで、上気道を広く保ち、無呼吸やいびきの発生を防ぎます。
特に肥満のある方は運動・食事療法でのダイエットが大切です。過度なアルコール摂取を控えることや禁煙も重要です。CPAP治療と並行して実施していただきます。
軽症の方は横向きに寝る習慣をつけてもらうことで改善することもあります。
顎が小さい、扁桃肥大がある、鼻の通りが悪いなどが原因で、気道が狭くなっている場合には耳鼻咽喉科で手術が検討されることがあります。
閉塞性睡眠時無呼吸(以下、閉塞性SAS)は、高血圧の原因になる可能性があり、閉塞性SASの患者様の半数に高血圧が認められ、高血圧患者様の3割に閉塞性SASが認められるという報告もあります。また、薬物治療に抵抗性のある高血圧症に、閉塞性が隠れている可能性も指摘されています。
閉塞性SASは心臓に負担がかかり、心機能を低下させる可能性があります。心不全患者様に閉塞性SASが合併しやすいことや、閉塞性SASを合併している心不全患者様では、閉塞性SASを治療しない場合、死亡率が格段に高まるという報告もあります。
閉塞性SASでは脳卒中の発症リスクが高まるとされています。特に50歳以上の閉塞性SASでは、脳卒中および死亡リスクが約2倍になるという報告もあります。
閉塞性SASでは不整脈を合併することが多く、無呼吸の増加や低酸素血症の悪化に伴い、合併頻度も高まります。特に夜間の不整脈は、半数近くの閉塞性SAS患者様に認められ、重症度では、その発症リスクが2〜4倍に高まるとされています。
冠動脈疾患のない方に比べ、冠動脈疾患を有する方が閉塞性SASを合併する率は約2倍といわれています。